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達人出版会日記

ITエンジニア向けの技術系電子書籍の制作と販売を行う達人出版会のブログです。

『はじめる! Rails3(1)』β版の発売に関して

達人出版会の高橋です。こんにちは。

先日から近刊としてページを公開しております『はじめる! Rails3(1)』ですが、本日発売を開始する予定ですいたしました。

本書は、まさに今求められるRails 3に関する書籍として提供できる、当社ならではの一冊だと思うのですが、発表してからの反響がこれまでの本以上に大きいため、正直ちょっとびびっていることもあり、本書の位置づけについて少し長めに説明しておきます。


Rails 3が公開されたのは昨年8月、もう半年ほど前になります。が、世界的にもまだあまり書籍が出ていない状態です。これまで「Railsバイブル」的な存在であった、『Agile Web Development with Rails』の第4版も、3月に刊行予定とのことで、まだβ版です(ちなみに著者もSam Rubyのみに変わってます。なんと)。

とはいえ、実は日本ではすでに書籍が出ているのでした。

ただ、こちらは(Rubyとかよく分からないしそんなに勉強したくないけど)趣味でRailsを触ってみたい、という方のための本だと思っていて、例えば仕事でRails 3を使いたい、ある程度の規模のRailsアプリの開発を考えているような方には、またちょっと違った本が必要じゃないかと思っています。


私見では、Rails 3をはじめるためによく使われるドキュメントは、「Rails Guides」だと思っています。これはRailsに関する様々なトピックのチュートリアル的な文章で、今のところRails本体の開発に合わせて更新が続いています。まずはこれを読むと、Railsの全体が分かります。逆に言うと、Railsで開発をするチームの中で、少なくとも一人はこれを読めるようにならないと、いろいろつらいんじゃないでしょうか。

ところが。Rails Guidesは、(当然ながら)英語な上に、ある程度Rails、というかRubyの開発ができるような方向けで、仮にこれまでRailsはもちろん、Webアプリの開発もちゃんとやってきたわけではない、という新人にいきなり読ませても、あんまりちゃんと読みこなせないのではないか、と思うわけです。もちろん、Rails 2.x系については日本語でもよい入門書がすでに出ていますが、さすがにRails 3をこれから始めるには、2.x系っぽいコードを勉強されても切ないものがあります。

ここでありがちなのは、例えばこれから新規で開発する、あるいは大幅な改修を行うRailsアプリケーションについて、「まだ分かる人が少ないから」「日本語のドキュメントがないから」といった理由で、Rails 3ではなく2.x系を使うことになってしまう、といった状況です。これはいろんな意味で不幸です。Railsを使うなら、ぜひともRails 3も選択肢に入るようにしたいところです。

そこで、チーム、あるいは身近にGuides等が読める人がいることを期待しつつも、まだそこまでに達していない人のために、Guidesやその他のドキュメントへの近道になる、あるいはそこに向かう勇気を手に入れるための一冊として、『はじめる! Rails3(1)』をおすすめしたい、と思います。


著者の黒田さんは、『Ruby on Rails 3.0 日記』を書かれており、それが本書の元になっているのですが、それ以前からも継続的にRailsに関する書籍やWebの記事を書かれています。また、実際に初心者の方に教える機会も多いということで、その辺りを考慮した書き方になっているそうです(私はあんまり初心者じゃないんでちゃんと分かってませんが、「ここははまりやすい」というのはいくつか教わりました)。

あともう一点、Railsはそもそもフルスタックのフレームワークとして特徴としてはフレームワークだけあって、その全体を紹介するにはそれなりの分量がどうしても必要になります。本書も100ページくらいではありますが、さすがにこれだけでは、初心者向けにていねいに説明すると、どうにも足りないのでした。なので、本書では思い切った取捨選択を行っています。具体的には、Rails 2.x系以降の特徴でもあり、3系できれいに整理された、コントローラとRouting(この単語の訳し方でも著者の方とあれこれやりとりがあったのですがそれはまた別の機会で)について重点的に紹介し、それ以外のビューやモデルやテストやデプロイについては、本書の説明に必要な最小限のところで抑えています。そのため、ActiveRecordとActiveModel(この二つに分かれてるところがまた説明が増える要因なのですがそれはさておき)などのいろいろな使い方については、まだまだ触れられていないところが多いです。すみません。こちらについては、本書刊行の反響や、黒田さんのご都合次第ではありますが、『はじめる! Rails3(2)』や『同(3)』が出せればなあ、と思っています。

そんな前提で、ご購入を検討していただければ幸いです。


追記:なお、Rails 2.xはばんばん使ってる(使ってた)けど3系で変わったところを日本語でざっと知りたい、という方は、『WEB+DB PRESS Vol.58』のRails 3特集を読むといいと思います。現時点では、日本語で入手できる情報としてはこれがベストじゃないかと思います。

特集記事なのでちょっと内容の圧縮度が高いのと、実際のコードが少なめ(これはまだリリース前から執筆していたためというのもあるそうです)ではありますが、足りない分はそれこそGuidesで補うのがいいんじゃないでしょうか。


追記:先ほど発売を開始いたしました! まだβ版ではありますが、よろしくお願いいたします。