2016年のベスト3と注目の新刊タイトルのご紹介
新年あけましておめでとうございます。 2016年も多くの方にご利用いただき、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
さて、年始にあたり、昨年一年間達人出版会サイトでもっとも購入された書籍について、集計結果をご紹介いたします。弊社で発行したタイトルとそれ以外のタイトルに分けて、それぞれベスト3+αという形でご案内いたします。
達人出版会発行の売上部数ランキングベスト3
1位: Railsの教科書
『Railsの教科書』はigaigaさんこと五十嵐さんによるRails入門です。Railsの初心者向けに講師をされていた際に使っていた資料を書籍化したもので、書籍化にあたりRails 5に対応していただきました。
2017年になりWebでのサービスの作り方も多様化してきましたが、Webサイトを作るのであればやはりRailsは無視できないところではあります。本書で新たにRailsを始める方が増えることを期待したいです。
2位: WANTEDLY TECH BOOK
「技術書典」という技術系同人誌のイベントにサークル参加された際に出された同名タイトルの書籍を電子書籍化したものです。
なお、本書出版の後日談がWantedlyさんのブログに書かれていました。
同人誌を作ると寿司が食べられる、大変いい話ですね。
3位: UNIBOOK4
『UNIBOOK4』は日本Androidの会Unity部のみなさんによる人気のシリーズで、いつも一定数の需要がありました。『UNIBOOK4』もそのシリーズの1冊です。
もう1冊新刊として出た『UNIBOOK5』も好調です。Unityは2017年も注目ですね。
その他の注目の新刊
それ以外で動きの良かったものとしては、『探検! Python Flask』と『Re:VIEW+InDesign制作技法』がありました。
『探検! Python Flask』は少し前の本ですが、去年の方が人気があったため、取り上げてみました。2016年のPython人気は絶大で、2017年も続きそうです。
『Re:VIEW+InDesign制作技法』も技術書典合わせで出版された1冊です。本書のターゲットとなる読者層はあまり大きくはないのですが、必要とされてる方の需要には確実に答えている作品になっていたかと思います。
なお、技術書典は4月9日に第2回となる「技術書典2」が開催されます。こちらはただいま参加サークルを絶賛募集中です。申し込み締め切りは1月7日なので、興味のある方はお早めにどうぞ。
達人出版会以外の売上部数ランキングベスト3
引き続きまして、達人出版会以外の出版社さんの売上部数ベスト3をご紹介いたします。
1位: ノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]
1位はマイナビ出版さんのロングセラーでした。デザインが得意ではない方がデザインについて教える際には必ず挙げられるタイトルです。
本書は昨年初頭のマイナビ出版さんのセールを行った時に大きく伸びたのが影響していますね。今は新しい第4版が出ましたので、こちらの方をお求めください。
2位: Unix考古学
2位は新刊の『Unix考古学』でした。 初月の売れ行きも良かったですが、その後も引き続き動いています。これまであまり知られていなかったUnixの深い歴史を新しいユーザに伝えてくれる良い書籍です。
3位: 30日でできる! OS自作入門
3位も同じくマイナビ出版のロングセラーで、こちらもセールの時の売上が大きかったタイトルです。
OSの自作というと趣味的要素が強かったのですが、最近は仮想環境が一般化してOSそのものを開発する環境が手頃になったとか、新しいOSを作ることの実用的な価値も出てきたのかもしれません。
その他の注目の新刊
こちらもベスト3以外に好評だった2016年のタイトルを5冊ほどご紹介いたします。
『Python機械学習プログラミング』と『TensorFlowはじめました』は2016年を象徴する機械学習・深層学習ブームのうちの2冊です。前者は機械学習全般について、後者はTensorFlowの実践活用に特化して書かれた書籍なので、用途に応じて(あるいは両方)どうぞ。
『Processing―ビジュアルデザイナーとアーティストのためのプログラミング入門』はProcessingの入門書ですね。「ビジュアルデザイナーとアーティストのための」というのが重要で、書籍自体も「ビジュアルデザイナーとアーティストのための」本になっているのがポイント高いです。
『たのしいRuby 第5版』は手前味噌ですが定番となったRubyのプログラミング入門書です。
『Ansible徹底活用ガイド』はYAMLで構成管理が記述できるAnsibleの入門書ですね。この辺りは記述力の高さと管理しやすさが衝突しやすいところなので悩ましいですが、あくまでロジックを書かずにYAMLでなんとかしたい派の方にはAnsibleは福音だったかと思います。
以上、2016年の注目のタイトルでした。新年にあらたな書籍に取り組みたいという方にはぜひご参考にしていただければ幸いです。
2017年も達人出版会をどうぞよろしくお願いいたします。
オーム社さんの電子書籍の販売を開始いたしました!
達人出版会サイトにてオーム社さんのコンテンツの販売を開始いたしました。
今回当社サイトで販売を開始したものは以下の8冊です。
基本的にはオーム社さんのestoreサイト(http://estore.ohmsha.co.jp/)ですでに販売されているものになるため、PDF版についてはすでにそちらで購入されている場合は特に達人出版会の方で買う必要はないかと思います(EPUB版が存在するものについては、弊社でもEPUB版を販売しております)。
ラインナップについては今後増やしていく予定ですので、どうぞご期待ください。
追記:オーム社さんのブログでも掲載していただきました。
達人出版会にてオーム社の電子書籍が発売開始! ( http://www.ohmsha.co.jp/kaihatsu/archive/2015/07/16141500.html )
Jesse Storimer著、島田浩二・角谷信太郎訳『なるほどUnixプロセス』(達人出版会)、今日明日限定セール開催中です! #naruhounix
Jesse Storimer著・島田浩二・角谷信太郎訳のロングセラー、『なるほどUnixプロセス ― Rubyで学ぶUnixの基礎』が6月13日〜14日の週末限定で50%OFFの1,600円(税抜)で販売中です。
昨日から札幌コンベンションセンターで開催中のOSC Hokkaido 2015ですが、その中のセミナーの1セッションとして『jus研究会札幌大会「なるほどUnixプロセス – RubyでUnixの基礎を学ぼう」』が15時15分より開催されます。
このセッション開催に合わせて、電子書籍の方も記念セールとして、今日・明日の2日間のみ、50%OFFの1,600円(税抜)で販売しております。
気になっていたけれどまた買ってなかった……という方や、今まで知らなかったけどUnixプロセスを学びたいという方は、ぜひこの機会にお求め下さい。
2015年版・連休中に読みたいコンピュータ書の入門書(達人出版会で売ってる電子書籍編)その2
2015年版・連休中に読みたいコンピュータ書の入門書(達人出版会で売ってる電子書籍編)その1からの続きです(長すぎたようで途中で切れてしまったので日付を変えてみました)。
■ OS・サーバ・インフラ編
引き続き、インフラ寄りの入門書です。
Windows
- Windows 8.1 上級ガイド 最新OSをより快適に使おう
- プロが教える Windows Server 2012システム管理
- Windows PowerShell超入門[4.0対応]
Windowsの本、というのもなかなか紹介しづらいですし、そもそもPC初心者向けのWindows and/or Officeの本を紹介しても仕方ないですし……と思いながら選んでみました。
『Windows 8.1 上級ガイド』はタイトルそのままの本です。Windows 8はちゃんと使ってないので勉強になります(という月並みの感想ですみません。手元にあるのはWin7までなので…)。
『プロが教える Windows Server 2012システム管理』はWindows Server管理者向けですね。また、『Windows PowerShell超入門』はPowerShellの本で、紹介する枠がないのでこちらに入れてみました。PowerShellを使いこなしたい方はぜひどうぞ。
Unix/Linux
サーバ用OSといえばなんといってもUnix・Linuxを避けては通れません。また、Mac OS XでもUnixのコマンドラインの知識は必要になることもあるかと思います。
そんなUnixの入門書としては、『はじめてUNIXで仕事をする人が読む本』があります。タイトルの通り、これまでUnixは全然使ったことがなくても、仕事で使うことになった人ならぜひ読んでみるとよいかと思います。
もうちょっと取っ付きやすい本としては、『シス管系女子 まとめ読み』があります。やっぱりマンガのとっつきやすさはすごいですね。内容も分かりやすくなっています。
Linuxを使うと言っても、ユーザとして使うのとサーバを運用するのとでは大きく異なります。後者の方の入門書としては、『初めての“本格”Linuxサーバー構築・運用』が良いかと思います。
OSその他
- 30日でできる! OS自作入門
メジャーなOS以外の入門書、というとこれくらいしか思いつきませんでした……。なにやら求められているものとは趣旨が違うような気もしますが、OSそのもののしくみについて学ぶには入門者向けで良いんではないでしょうか。
DB・SQL
実は弊社はデータベース系のラインナップが弱くて、PostgreSQLにいたっては一冊もないという体たらくなのでした。申し訳ございません。
というわけで、MySQLの入門書としては『できるPRO MySQL』があります。また、さらに本格的な入門書としては『MySQL徹底入門 第3版』もあります。
また、SQLについては、『スッキリわかるSQL入門』がよいでしょうか。実践的な形の入門書になります。
インフラ自動化
- 入門Chef Solo - Infrastructure as Code
- 入門Puppet - Automate Your Infrastructure
インフラ自動化はなんといっても『入門Chef Solo』と『入門Puppet』が鉄板でしょう。
どちらも試しながらおぼえる形になっていて、ChefとPuppet、それぞれ自分が使いたい・使っている方の書籍を読まれると良いかと思います。
■ その他編
ジャンル分けしづらいものをまとめてみました。
Git・GitHub
・Web制作者のためのGit入門
・みんなで使うGitHub
・Web制作者のためのGitHubの教科書
Gitは正直、入門者にとって使いやすいツールではないと思うのですが、使いこなせるとめちゃめちゃ便利なので頑張って入門していただきたいところです。
そんなGitの入門書としては『Web制作者のためのGit入門』があります。最初はGUI、後半はCUIでのGitの使い方を紹介している本です。
一方で、GitHubはGitとは違う概念ではありますが、GitHubを使うためだけでもGitを覚えて欲しいくらいにGitHubも重宝するものです。『みんなで使うGitHub』は、Gitを使いこなせなくてもGitHubだけは何とか使いたい、という人向けの本になっています。また、もう少し真面目に最低限のGitも使いながらGitHubを活用する本としては『Web制作者のためのGitHubの教科書』があります。
文字コード
- 文字コード「超」研究 改訂第2版
なんだかんだ言って21世紀になっても人類(特に日本人)は文字コードから離れて自由に生きていくことはできないのでした。
というわけで、文字コードについて予備知識なしで読める本として以前から著名な『文字コード「超」研究 改訂第2版』があるので、こちらから入門されるとよいかと思います。
コンピュータアーキテクチャ
- コンピュータ設計の基礎
「コンピュータアーキテクチャ」に入門するというのもすごそうですが、そういう興味のある方や、必要になる方もいらっしゃるはずなので紹介します。
『コンピュータ設計の基礎』はそもそもコンピュータのアーキテクチャとは何ぞやというところから始まり、加算器や乗算器、そしてキャッシュまで紹介しています。内容は本格的ですが、アカデミックな難しさはないので取っ付きやすい本になっています。
Raspberry Pi
- Raspberry Piで遊ぼう! 改訂第3版 〜 B+完全対応 〜 ラズパイ2にも対応
- BareMetalで遊ぶ Raspberry Pi
「Raspberry Pi」というカテゴリもちょっと変わっていますが、人気があるので追加しておきます。
よく分かってないけどRaspberry Piって噂はよく聞くから詳しく知りたいんだけど? という感じの人には『Raspberry Piで遊ぼう! 改訂第3版』辺りがよいのではないかと思います。いろんな使い方が紹介されています。
それに比べると『BareMetalで遊ぶ Raspberry Pi』は低レイヤーなところに興味がある人向けに絞りこまれた本になります。ちょっと主観的な評価も入っていますが、予備知識はあまりなくても環境構築から始められる作りにはなっているので、Raspberry PiというよりもPC的なものもソフトウェア的な中身に興味ある方は読んでみてほしいなあと思います。
著作権・ライセンス
この手の権利関係については普段の仕事をしていくだけでは身につかないものなので、機会を見つけて勉強したいところです。
オープンソースのライセンスについて知りたいひとは『知る、読む、使う! オープンソースライセンス』が予備知識なしで読めておすすめです。
もっとも、OSS以外のソフトウェアやデジタルデータにも著作権があるわけで、そのあたりについて興味のある方には『クリエイターのための著作権入門講座』辺りから入るのがよいでしょう。
EPUB
- EPUB 3 スタンダード・デザインガイド
EPUBは本そのものも多くないのですが、本書は(デザイン寄りではありますが)EPUB3についてまとまっているのでおすすめです。EPUBってどんな風になっているの? という疑問は本書で解決できると思います。
英語
- アプリケーションをつくる英語
このリストを公開した後、某所で勧められたので追加しておきます。
本書は「英語」の入門書ではなく、「ソフトウェア・アプリケーションで使われる英単語・英語表現」の入門書になります。メニューやメッセージを英語にしたい人にとっては、いきなりネットの機械翻訳などを試すよりも、まずはこの本を読むことから始めてみるとよいでしょう。
よみもの
最後に、読み物についても選んでみました。
『ケヴィン・ケリー著作選集 1』は、『テクニウム』が書籍として発売された辺りから改めて注目が集まっている(ような気がする)ケヴィン・ケリーのエッセイをまとめたものです。本書は読み返す度に発見があるので、前にちょっと読んでみたけどそのまま放置してる、という人にもおすすめです。
ちなみに本書が好きな人には、『情報共有の未来』も読んでも面白いかと思います。
『まつもとゆきひろ コードの世界』は、著者がRubyの作者として有名であることを抜きにしても、言語開発者の視点からみたエッセイとして面白いと思います。入門書の範疇としてはぎりぎりなところですが、軽い気分で読み替えていただけるとよいのではないかと思います。
最後の一冊としては、このリストだけでは物足りない! という人向けに『改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊』があります。個人的には名著と呼ばれる本じゃない本を読むのが好きなのですが、だからといって名著は読まなくてもいいというわけではありません。興味のある本を探してみてください(弊社ではあんまり売ってなくて恐縮ですが)。
以上、紹介したい本はまだまだいくらでもあるのですが、今回はこの辺りで。実は今回はマイナビさんのセールに合わせて選書してみようかと思ったのですが、結果的にはあんまり反映されませんでした(正直、セールを考慮したのは『HTML5 スタンダード・デザインガイド』くらいでしょうか)。
また、私の知識不足で紹介できなかったカテゴリもあったり(仮想化方面とか)、そもそも入門書がないカテゴリがあったり(エディタとか。『実践Vim』は入門書ではないので…)したのが残念なのですが、次回があればこの辺りもフォローしたいところではあります。ともあれ、参考にしていただければ幸いです。