達人出版会日記

ITエンジニア向けの技術系電子書籍の制作と販売を行う達人出版会のブログです。

ユーゴー『レ・ミゼラブル』もPDF化してみました

(追記:「青空文庫 for Reader」のページを作りました (http://tatsu-zine.com/aozora/))

高校生か大学生か忘れましたが、学生の頃に読んで面白かった小説に、ヴィクトル・ユーゴーレ・ミゼラブル』があります。岩波文庫の分厚い本で全4巻、豊島与志雄氏の翻訳でした。1987年に出た改訂版なので、装丁は新しい感じでしたが、昔の小説で比較的硬めの翻訳文なのに、ふつうにエンターテインメントな小説に仕上がっていて、これはすげーなーと思いながら頑張って読破した記憶があります。

豊島与志雄氏が幻想文学作家でもあり、またずいぶんと昔に活躍された方だと知ったのは、それよりもずっと後のことでした(たぶん日本幻想文学集成に名前が入ってて知ったような)。

ところで、ユーゴーはもちろん、豊島与志雄氏も亡くなられて50年以上たっており、そのためこの作品も青空文庫に入っていて、自由に読めるようになっているのでした。素晴らしいですね。これはぜひとも読むべきです。

というわけで、これもPDF化してみました。

なお、ちょっと構成を変えてあります。上記では「序」になっていますが、これは元の青空文庫版では3分割されているのを、一つにまとめています。まとめ方については、手元にある(それこそ学生の頃に読んだ)岩波文庫版の改版第5刷(1987年11月20日)で確認しているので、これでいいんじゃないかと。

PDF換算で4500ページ近く(!)ある大長編ですが、それでも全文読む価値はあると思います。最初の200ページ近く読んでも主人公ジャン・ヴァルジャンが出てこない(!)のもよくあることです。最後まで読んだ暁には、きっと感動のラストが待っていることでしょう。

ジャン・ヴァルジャンさん、あなたはもう悪のものではない、善のものです。私が購うのはあなたの魂です。私はあなたの魂を暗黒な思想や破滅の精神から引き出して、そしてそれを神にささげます。」
(「第一部 ファンティーヌ」より、ジャン・ヴァルジャンが銀の燭台を盗んだことを司教が許す、超有名な場面)

ぜひどうぞ。