達人出版会の出版契約書(プロトタイプその1)
昨日はtwitterの私のTLで出版契約についての話題が流れていたので、以前から作成中の出版契約書案をアップしてみました。
https://docs.google.com/Doc?docid=0AXsGOZedrIUwZGZjcHhrNTRfMjBkZHg1OWdjcg&hl=ja
元々は、書協が公開している「著作物利用許諾契約書ヒナ型」を参考にしています。
http://www.jbpa.or.jp/publication/contract.html
http://www.jbpa.or.jp/pdf/publication/publication02.pdf
書協の契約書は、紙の権利をもらい、電子化については優先権だけもらう(詳細は別途契約)、というスタイルになっています。それをひっくり返しつつ、独占的なところを非独占的に変更したような感じです。
基本的な方針としては以下のとおりです。
- 当面不要な権利についてはもらわない
とにかく出版団体側に信頼がない&無用な責任を背負いたくない、という理由により、極力最小限の権利しか受け取らず、それ以外は無保証無責任でいきたいのです。
こちらが当面やりたいことの妨げにさえならなければ別に何ももらってもうれしくないのでした。「なんでちゃんと動いてくれないんだ」と言われたくないからです。
また、組織自体もいつ何が起こるか分からないわけで、そんなところに独占的な権利を付託とか普通に考えてありえないでしょう。だもんで、できるだけ最低限の権利だけもらって、やりたいことが他にあれば著者自身でどうぞ、というスタンスを考えています。
- 加工等に必要な権利はもらう
そうは言っても、例えば同一性保持権を強力に主張されると、ちょっと版面をいじるだけでも文句を言われそうなので、そのあたりは好きにいじれる権利がほしいです。特に、電子化されたデータをサイト全体で再利用する場合に使えないと不便です。この辺りは初めから利用できる権利をもらうようにしています。
この方針は、フリーソフトウェア・オープンソースソフトウェア的な文脈では「DO NOT SUE ME」的な思想に近いような気がします。最小限の義務と責任以外は無保証・無担保の免責をする、というか。
最近の電子出版の話題では、DRMはもちろん、特定端末用のフォーマット・アプリケーションだったりする方向なので、こういうゆるい物を整備することが逆にアドバンテージになりうるのではないかと考えています。