達人出版会日記

ITエンジニア向けの技術系電子書籍の制作と販売を行う達人出版会のブログです。

日経BP社さんの取り扱い始めました! 第1弾は『まつもとゆきひろ コードの世界』と『組込Ruby「mrubyのすべて」 総集編』です!



新しい出版社さんの電子書籍を扱うことになりました。今回は日経BP社さんです。

日経BP社さんと言えば翻訳書やビジネス寄りの読み物などでも有名ですが、当社としてはやはりまつもとさんの貴重な連載が掲載されている「日経Linux」とその単行本化された書籍が気になるところです。というわけで、最初のタイトルとしては、『まつもとゆきひろ コードの世界』と『まつもとゆきひろ直伝 組込Ruby「mruby」のすべて 総集編』の2冊となりました。

まつもとゆきひろ コードの世界』は言わずと知れたまつもとさんによるプログラミングとプログラミング言語に関する記事をまとめたものです。特徴的なところとしては、「プログラミング言語の設計者」という立場から眺めているところ、でしょうか。普通プログラマであれば「言語をどう使いこなすか」という視点になるところを、まつもとさんが解説すると「なぜこのような言語仕様になっているのか」「そもそも言語はどうあるべきか」といったところを解説してくれています。本書はRubyの書籍ではないのでRubyそのものの解説は控えめにしつつ、他の言語の利用者にも読みやすくなっている一方で、そうは言っても実例として出てくるのは当然のようにRubyになっているので、Rubyを使っている方にも使っていない方にもお勧めできる一冊です。

紙の書籍ですでに購入された方も多いかと思いますが、やっぱり電子で欲しいとか、本棚か段ボール箱の中かどこかにあるはずなんだけどどこにあるか分からないとか、実は読んでなかった、という方はこの機会にどうぞ。


そしてもう一冊の『まつもとゆきひろ直伝 組込Ruby「mruby」のすべて 総集編』ですが、こちらは出たばかりの新刊というか、今のところここでしか買えない一冊になっています。

元々は日経Linux誌に昨年秋から今年の春にかけて連載された記事があったのを、日経BP社さんに「これを最新情報を含めてまとめて売るとみんな喜びます」みたいなことは以前どこかのタイミングでお話しした気もするのですが、最終的に日経BP社さんの方でまつもとさんと交渉して、まとめていただけたのでした。

タイトルは『「mruby」のすべて』と強気のネーミングになっていますが(これは連載時のタイトルがそうだったからなのですが)、紙面の都合上全部を細かく取り上げられているわけではありません。むしろ、mrubyの特徴的なところやまず最初に触るために必要最小限の知識をコンパクトにまとめたもの、と言ったところでしょうか。とはいえ、レイアウトは雑誌の紙面そのままなので、ページ数のわりには内容は詰め込まれているので、メモリまわりやテスト、mrbgemsなどについても触れられています(もちろんこの辺りも知っておかないと実際の開発で困ったりする「必要最小限の知識」だからではあるのですが)。

いずれにしても現時点でmrubyについても細かい情報が読めるのはgithubレポジトリ以外では本書しかないはずです。mrubyを使いたい方もちょっと興味がある程度の方もぜひどうぞ。