達人出版会日記

ITエンジニア向けの技術系電子書籍の制作と販売を行う達人出版会のブログです。

「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞(ITエンジニア本大賞)2017」のご案内

もうすでに当日になってしまっておりますが、今日からDevelopers Summitことデブサミ2017が開催されます。その中でも初日の2月16日の最後のセッションで「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞 2017」プレゼン大会が開催されます。

event.shoeisha.jp

event.shoeisha.jp

とはいえ人気企画のようで、気がついたときにはすでに満席だった模様でしたので、今更告知してもどうすんだ的な雰囲気もありますが、せっかくなので技術書部門のベスト10のご紹介も合わせて宣伝いたします。なお、達人出版会は特別協力ということで名前を出させていただいております。

そんなわけで技術書部門ベスト10は以下のようなラインナップです。簡単に各タイトルのコメントも書いておきます。

ITエンジニアのための機械学習理論入門

ITエンジニアのための機械学習理論入門

ITエンジニアのための機械学習理論入門:書籍案内|技術評論社

これはちょっと前に話題になった機械学習の入門書で、2015年くらいからの機械学習ブームの一翼を担った書籍と言ってもよいでしょう。基本的な理論について紹介しつつ、コードもダウンロードして確認できる、という辺りが「ITエンジニアのための」という表題の所以と言えるでしょう。ディープラーニング以前の基礎的な機械学習理論を知りたい人向けです。

Amazon Web Services実践入門 (WEB+DB PRESS plus)

Amazon Web Services実践入門 (WEB+DB PRESS plus)

Amazon Web Services実践入門:書籍案内|技術評論社

AWSの入門書はたくさん出ていますが、なにせAWSと一言で言ってもサービスは山ほどある上に単なるオンプレ的なものをクラウドに載せただけのものから独自のPaaS・SaaS的なものまで幅広くあるわけで、1冊本にするときにはどこにフォーカスするかが難しいところです。その中では本書はAWS CLIを手厚くフォローしているところが特徴的と言えそうです。とは言えサービス自体の紹介も必要だし、AWS CLIについてまともに紹介するとそれだけで1冊でも足りないくらいの分量になってしまうので、あくまで基本のみではありますが。

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

SBクリエイティブ:暗号技術入門 第3版

結城浩さんの暗号本ですね。暗号技術を知らない人に対して、適当な説明でお茶を濁したりせずにちゃんと教える、というたいへん貴重な本です。暗号の動きも基本はあまり変わらないようでも細かい技術は案外こまめに変わっていくものですが(SSL/TLSプロトコルとか)、本書は順調に改訂されて内容もアップデートされているのはありがたいところです。詳しくない人はぜひ一度読まれることをおすすめします。

SQLアンチパターン

SQLアンチパターン

O'Reilly Japan - SQLアンチパターン

もはや古典っぽい扱いになってきたような気もする一冊です(でも2013年発行なのでそんなに古くはないです)。NoSQLの勃興期は、SQLはこれから衰退とまでは言わずとも縮小していくのでは……という雰囲気もありましたが、どちらかというとSQLというかRDBMSが減ることはなく単にそれ以外のものを含めて種類が増えていくだけで、最近はRDBMS以外でもSQLを話すアプリケーションも出てくるなど、人類はSQLから逃れられないことが明らかになりつつあるようで、本書の価値はますます高まっているようです。

新装版 達人プログラマー 職人から名匠への道

新装版 達人プログラマー 職人から名匠への道

新装版 達人プログラマー 職人から名匠への道 | コンピュータ・一般書,プログラミング・開発,開発技法 | Ohmsha

ご存知の名著。一時はどうなるかと心配もありましたが、無事に新装版として帰って来ました。初出は1999年と20年近く前なので、確かに古くさいところもあるので読み方に気をつけないといけないところもあるかもですが、それを上回るプラグマティックさがぐっと来ます。開発方法論が華やかなりし時代にあえて方法論でもツールでもなく「態度」を示す達人たちのかっこよさと合理性がよいのです。そしてこれを踏まえて、21世紀のプラグマティックを私たちが生み出さなければいけないのでしょう。未読の方はこの機会にどうぞ。

O'Reilly Japan - ゼロから作るDeep Learning

2016年はとにかくディープラーニングの年でしたが、その2016年を代表する一冊が本書です。やっぱり「ゼロから作る」というのはITエンジニアの琴線に触れるところがありますよね。実用性を考えると後述の『Python機械学習プログラミング』のように既存ツールの活用を考えた方が早いのかもしれませんが、教育効果は自力で実装する方が圧倒的でしょう。たくさん売れたというのも納得の一冊です。

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

日経BP書店|商品詳細 - SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

ソフトウエア開発者向けの自己啓発書っぽいところもありますが、もうちょっと実践的というか、地に足を着けつついろんなところに目配りをきかせています。謎の不動産押しはどうなのかなどといった気持ちも正直ありますが、まあお金を稼ぐのは難しいですよね……。

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践 - インプレスブックス

『ゼロから作るディープラーニング』の方でも少し触れましたが、こちらは既存のライブラリを駆使した機械学習の考え方・やり方について紹介している本です。前評判が良かったのと、実践的な書籍としては比較的早い時期に出たのもあって、評価が高かったように感じます。

マスタリングTCP/IP 入門編 第5版

マスタリングTCP/IP 入門編 第5版

マスタリングTCP/IP 入門編 第5版 | コンピュータ・一般書,ネットワーク構築,プロトコル | Ohmsha

これまた古典と言ってもよい、『マスタリングTCP/IP 入門編』です。やはりTCP/IPの基礎を学ぶ本といえば本書になるんでしょうか。長く改訂が続くタイトルがあるのはそれだけ読者に受け入れられているということで、たいへん喜ばしいことではあります。

ルビィのぼうけん こんにちは!  プログラミング

ルビィのぼうけん こんにちは! プログラミング

ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング(リンダ・リウカス 鳥井雪) | 翔泳社の本

ルビィと言ってもRubyじゃなくて主人公の女の子の名前です。子供向けのプログラミング書籍も多数出てきていますが、その中ではあまりプログラミングしてないという意味では異色作といえるのかもしれません。いろんな評価があると思いますが、私見では本書の価値は10年後にこの本に救われたと思う若者がどれだけ現れるかどうかにかかっていて、私としては現れる方に賭けたいと思っています。